愛のカタチ
―――――――――――
―――――――――
――――――



重たい荷物を両腕に抱え、器用に鍵を差し込み、ドアを開けた。



――バタンッ 



「ただいま」


……なんて、言ってみたりして!返事なんて、あるはずないのにね。 


最近、誰とも話さない日があるから、こうして独り言のように呟いてしまう。 


そんな自分が、堪らなく可笑しいのだけれど。



荷物を一旦、床に下ろして、エアコンのスイッチをオン。 


リモコンに表示された室内温度に唖然とした。 



――35℃。…暑いはずだ。


< 54 / 304 >

この作品をシェア

pagetop