愛のカタチ
拓也の帰りを待って、チョコレートしか口にしていなかったから、さすがにお腹が空いてきた。



溜め息をつきながら、スープを温め直した。



冷蔵庫からポテトサラダとほうれん草のごま和えを取り出し、ランチョンマットに並べた。 



一人で黙々と食べる食事なんて美味しくないし、ただお腹に入れているだけのようなもの。



食事時間、正味10分。
虚しい晩ご飯を終えた。



一人分の食器を洗う気にはなれなくて、水に浸したまま、流し台に放置した。



――と、そのとき




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