愛のカタチ
「……そっか」
そのまま押し黙った拓也。
暫しの沈黙のあと、妙案が浮かんだのか、笑顔をこちらに向けた。
「じゃあさ、13日の朝一番の飛行機で行って、翌日、遅めの便で向こうを発とう!それなら同窓会に間に合うだろう?」
「う、うん。
でも……1泊しかできないけど、本当にそれでいいの?」
「あぁ。親父やお袋は帰るだけで喜ぶからな。顔を見せて線香さえあげれば……。
じゃあ、そういうことでチケットの手配、よろしくね!」
ギギギギギ……と、椅子を引く音とともに拓也は立ち上がった。
こうして、夏期休暇を利用し、拓也の実家である四国を訪れることになった。
多少、憂鬱さはあるものの、ホッと胸を撫で下ろした。