愛のカタチ


そして迎えた、同窓会当日――。 


朝から気持ちが浮き足だって落ち着かない。 


あれだけ疲れているはずなのに、今朝は6時前に目が覚めてしまった。 


隣に眠る拓也は、まだベッドの中。気持ち良さそうに寝息を立てている。 


昨晩、拓也は気を利かせてくれて 


「せっかくの同窓会なんだから楽しんで来いよ!俺のことは気にしなくていいから。なんなら、実家に泊まってきてもいいし…」


と、嬉しいことを言ってくれた。案外、優しいところもある。 


昼時になり、二人で昼食を簡単に済ませると、身支度を整えた。


時計の針と何度も睨めっこを繰り返し、私は待ち合わせ時間より少し早めに家を出た。 



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