愛のカタチ
他人の結婚式に出席すると幸せな二人の姿に感化されて、自分も早く……なんて考えてしまいがち。


きっと、拓也と付き合いだしたきっかけも、そんなところだったと記憶している。


互いに、メールと電話番号の交換をして別れたその日の晩――  


早速、拓也から電話が掛かってきた。


話しても話しても話題が尽きることはなくて、電話を切ったのは明け方の5時だった。


カーテン越しに外を眺めると、東の空がうっすらと明るくなっていた。


「こんな時間だね。そろそろ寝ようか?」


「そうだね」


寝るのも惜しいくらい、拓也との電話を切りたくなかったのを思い出す。


こうして、忠実(まめ)に連絡を取り合うようになった私たちは、自然と付き合うようになった――。




< 8 / 304 >

この作品をシェア

pagetop