君と僕の夏
「ちょっと!ドア壊んたらどうしてくれるん!?もうちょっと静かに開けて言うてるやん!」
自然と喧嘩腰の口調になってしまう。
その言葉に母親はかっと顔を赤くすると、もう一度大声でナオと名前を呼んだ。
ナオの部屋に飾ってあるポスターやらカレンダーやらが風でヒラヒラと静かに裾を舞う。
「アンタ、休日だからってグータラしてへんの!」
「別にうちの勝手やん!母さんにプライベートのことまで口出しされたくないっ!」
「プライベートって・・・っあんた!誰に養わされてると思ってん?!
さっきから何回もたのんでる言うのに・・・っあんたって子は!」
「養ってなんて一言もたのんだ覚えないわ!!」
勢いに任せた唇は、止まらずに動き続けた。
“養ってなんて一言もたのんだ覚えないわ!!”
そう怒鳴った瞬間、少しだけ母が顔を歪ませたのにも気づかなかったくらいに、ナオは頭に血が昇っていた。
「ああ!もうええ!行けばいいんやろ、行けばっ」
「ナオっ」
ナオは母の声を聞くまいとばんっとまた大きく扉を閉めると、財布を片手にサンダルを流れるように履いて家を飛び出した。
自然と喧嘩腰の口調になってしまう。
その言葉に母親はかっと顔を赤くすると、もう一度大声でナオと名前を呼んだ。
ナオの部屋に飾ってあるポスターやらカレンダーやらが風でヒラヒラと静かに裾を舞う。
「アンタ、休日だからってグータラしてへんの!」
「別にうちの勝手やん!母さんにプライベートのことまで口出しされたくないっ!」
「プライベートって・・・っあんた!誰に養わされてると思ってん?!
さっきから何回もたのんでる言うのに・・・っあんたって子は!」
「養ってなんて一言もたのんだ覚えないわ!!」
勢いに任せた唇は、止まらずに動き続けた。
“養ってなんて一言もたのんだ覚えないわ!!”
そう怒鳴った瞬間、少しだけ母が顔を歪ませたのにも気づかなかったくらいに、ナオは頭に血が昇っていた。
「ああ!もうええ!行けばいいんやろ、行けばっ」
「ナオっ」
ナオは母の声を聞くまいとばんっとまた大きく扉を閉めると、財布を片手にサンダルを流れるように履いて家を飛び出した。