君と僕の夏
持っていた雑誌を元の場所に戻すと、ナオは彼女達の脇を通り抜けてお菓子売り場へと向かった。
たくさん並んだお菓子を前に、適当なスナック菓子を手に取る。
ふと時間が気にかかり、ポケットから自分の携帯を取り出すと、画面のディスプレイを眺めた。
「あー・・・」
・・・もうこんな時間か。
慌てることなくゆっくりとまたしまうと、レジに向かって会計を済ませる。
レジ袋をぶんぶんと振り回しながらコンビニを出た。
冷たかった空気が、一気に生暖かな空気に変わり、ナオは思わずぶるっと身震いをする。
まわしているレジ袋がぶんぶんと空を切る。
あ、と思った瞬間には、もう遅かった。
「ぶっ」
「え?」
確かにレジ袋越しに感じた、誰かに当たった感触。
そして、誰かの呻き声らしき声。
恐る恐る振り返ると、そこには男の子らしき人が背を向けて蹲っていた。