君と僕の夏
「だ、大丈夫ですか?!あの、すんません!気づいてたわけやなくて・・・あの、わざとでぶつけよったわけでもなくて・・・!」
慌てて男の子の元に駆け寄るナオ。
ジーンズに赤いタンクトップ姿。
首から提げた銀のネックレスがゆらゆらと揺れている。
・・・あ、靴ナイキ。
パニックに陥りながらも、ナオは内心冷静にその人のことを観察していた。
「あ、あの・・・」
「だ、大丈夫」
呻くようにそう言いながら、その人は立ち上がった。
茶色のさらさらな髪の毛を揺らしながら、表情を痛みで歪ませている。
「申し訳ないっ!大丈夫ですか?」
「大丈夫やって・・・。」
下目遣いだったその人は、ゆっくりと瞼を持ち上げてナオをみつめる。
ナオはその綺麗な顔を見て、思わず息を呑んだ。
口が半開きになる。間抜けな顔のまま、ナオは彼を見つめていた。
「な、なん・・・」
じーっとみつめるナオに、戸惑うその子。
「なんなん・・・」
「え?」
「殺人的やん!」
「はあ?」
君の顔、すっごい悩殺。