君と僕の夏
「なに、アンタ。」
いかにも如何わしげな顔をしてナオを睨むその人。
やばいと思ったときには、その人は回れ右をしてナオに背を向け去って行ってしまった。
「ぎゃー!!」
・・・第一印象最悪っ
てか、名前すら聞いてないよー!
心臓がバクバク言ってドクドク波打っている。
顔が自然と赤くなって、体中が熱を帯びていくのがナオ自身でもよく分かった。
どうしよう、どうしよう・・・。
「あれ、犯罪やん。かっこよすぎ・・・。」
名前も知らない、初めて会った人。
しかも、あっちにとっては第一印象最悪。
だけど、だけど・・・。
「これって、一目惚れ?」
人生はじめての一目惚れ。
ナオはそのまま硬直し、顔を赤くしながら突っ立っていた。