今日は運転手で
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あたしは、本当にうちに帰った。
母がまだ、玄関にへたっていて。
入るなりむせるほどのタバコの煙が充満していた。
「何、そんなに若くて可愛い子が良かったの?」
母は、吸いかけてたタバコを、廊下においたガラスの灰皿にねじ込んだ。
「周防は好みじゃなかったのに」
あなたの好みなんて知りません。
「ね、言うこと聞いてくれないんなら、出ていってくれない?学費と卒業するまでの生活費だけだしてあげるから」
「...はい」
驚くほどに、あたしの劣等感はあたしの精神を蝕んでいたらしい。
逆らうなんて、無理だった。
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