幼なじみが、先生で。


「芹澤くんの気持ち、わたしだってよくわかるのに……余計なこと言って……」


蒼ちゃんが好き。

先生が好き。


芹澤くんのどうしようもないもどかしさは私と同じなのに。


まるで自分を見ているようで苛立って、余計なことを口走ってしまったんだ。



「俺はお前に感謝してるんだ。謝られても困るんだよ」


「で、でも」


それでも、わたしはーーー。



「ちょっとは落ち着けって」


芹澤くんの長い指先が私わたしの言葉を塞ぐように唇に触れた。


「ずっと終わりにしたいって思ってた………だから、これでいいんだよ」



「そっ……か………」



『本当にそれでよかったの?』

そう、言いたかった。



だけど、そんな顔で笑われたらもう何も言えない。


切なそうに哀しみを堪えて。

苦しそうに笑ってるんだもん。


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