幼なじみが、先生で。
ため息なんか吐きながら、ぐるぐる頭を悩ませていると、
「ねぇ、辻宮さん!」
「へっ!?」
突然背後から聞こえた声に対してすぐに反応を起こせなかった。
代わりに出たのは、裏返った悲鳴と表情を歪ませながら振り返るわたしの顔。
そんな変な反応のわたしは無視して、
「これ着てほしいんだけど、今時間大丈夫かな?」
ヒラヒラと揺れる謎の物体を目の前に差し出された。
「こ、これって………」
どこから見ても完全にメイド服。
こんな物がなぜここに存在しているのか、理由は簡単だ。
もうすぐで高校生活最後の文化祭が始まる。
1年間で最も盛り上がる学校行事。
そのため、みんなの気合いの入り方が異常すぎる。