幼なじみが、先生で。
好き
ついに、待ちに待った文化祭の日がやってきた。
「すみませーん」
「はーい、ただいまお伺い致します」
わたしたちのクラスのコスプレ喫茶はまぁまぁの盛況。
客足も増えず落ちずで普通を保っている感じ。
蒼ちゃん来るとは言ってたけど、本当に来てくれるのかな。
「ふぅ……疲れたなぁ……」
「お疲れ、海里っ」
ようやくシフト交換で私は休憩タイム。
教室内をパタパタ走り回ったせいで、秋なのに少し暑いくらい。
「ふふふっ、海里は顔が華やかだからなんでも似合っていいねぇ」
「うっ……」
暑いのはこの格好のせいでもあるかもしれない。
「結衣が無理やり着せたくせに」
ちらりと自分の格好に視線を向けると、ため息が溢れそうになる。
「似合ってるからいいじゃん、セーラー服」
「そういう問題じゃないー!」
白のラインが入った紺色の襟に、無駄に短い膝上のプリーツスカート。
ご丁寧にローファーまで準備されて無駄に気合が入ってるなぁと思うしかない。
中学も高校と変わらずブレザーだった私にとっては無縁の服だ。
セーラー服なんて初めて着たけど、なんか全体的に短くて落ち着かない。
こんな大きすぎる胸元のリボンなんて明らかにおかしいもの。
こんなの着ている学生見たことないけど?
メイド服よりかはマシな気がするけど、それでもやっぱり恥ずかしい。
なんでこう、もっと地味で普通な服を準備してくれなかったのか……。