幼なじみが、先生で。
疲れてここに辿り着いたと思っていたのに、疲労回復が早すぎる。
さすがはスポーツ万能男子ってことかな。
「よしっ、行くぞ」
「わっ!?」
グイッと力強く腕を引かれ、強引に廊下へと連れ出された。
「ちょっ、遥!まだわたし着替えてないんだけど」
こんな格好で校内を彷徨いたらそれこそ本当に黒歴史だ。
「気にすんなよ!学ランとセーラー服で結構お似合いだろ?」
「っ……お似合いって………」
ニッと白い歯を見せて笑う遥に心臓がドキンと音を鳴らした。
もうっ……そんな笑顔見せるなんて反則。
遥みたいなかっこいい人にそんな笑顔見せられて、ドキドキするなと言う方が難しい。
ホント、ずるいよ。
「仕方ないなぁ……」
遥に引かれるがまま、着替えもせず2人で廊下を歩いていった。