幼なじみが、先生で。


「あ、もう食べ終わっちゃった」

遥の横を顔をそれとなく見ていたら、時間はあっという間に過ぎていた。

何もない空になったパックを名残惜しそうに見つめる。

たこ焼き美味しかったなぁ。


「さっき買ったばっかなのにもう食ったのかよ」


隣に並ぶ遥には呆れた顔で見られてしまった。


「えへへ、すっごく美味しかったから」

「へー、そうなんだ」


返ってきた返事はあからさまな棒読みだ。

わたしにだけ適当な扱いをして、遥は対応に波がありすぎる。

心を許してくれてるって思えば嬉しいけどちょっと複雑。


「遥も何か食べなよ」

「いや、俺は海里の食べてる姿見るだけで腹いっぱいだからさ」


「えっ、何それ……変なの」


ちょっぴり意味深な遥の言葉。

わたしが大食いだって言われた気分だ。


まー、遥なんで別にいいや。

最後の文化祭だもん、楽しいを思い出たくさん作りたい。


次は何食べようかなぁ。


こういう特別な日に食べるのは特に美味しく感じるもの。


鼻歌を歌いながら騒がしい廊下を歩くと、


「ご機嫌だな」

なんて遥に笑われたけど気にしない。


次はわたあめでも食べようかな〜。


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