幼なじみが、先生で。


いつだって、わたしはわがままだ。

思い返せば何度自分のわがままで人に迷惑をかけたことだろう。


せっかくのプレゼントを返すなんて本当はしたくないけど、これだけはどうしても譲れない。



「…………それは、桐生蒼が好きだからか?」


「えっ」


今、何を………。


「桐生先生に貰ったんだろ、同じようなやつ」


何、言ってるの?


「だから俺からのは貰えないって……?」

「どうしたの、急に………」


すごく怖い顔してるよ?


「むかつく…………」


「ひゃっ!」


わたしをドンッと壁押し付けて、身動きを取れなくする。


無言で睨む遥の顔は、今まで見たこともないくらい真剣で怖い。


< 148 / 204 >

この作品をシェア

pagetop