幼なじみが、先生で。
遥は一緒に居て楽しいし、とても優しい。
遥を選ぶ恋もありなのかもしれない。
きっと幸せで楽しい恋ができる。
もしも遥を好きだったら、わたしも楽になれたかな。
遥も喜んでくれたかな。
こんなに苦しむこともなかったのかな。
でも、自分の気持ちに嘘なんかつけないよ。
わたしなんかを好きなってくれて本当はすごく嬉しい。
遥のこと、大好きだけど……結局それは友達として。
本当に好きなのは蒼ちゃんだけだ。
蒼ちゃんを想うと温かい気持ちになれるの。
こんな気持ちになるのはきっと蒼ちゃんだけだと思う。
苦しいけど、辛いけど、それでもわたしは蒼ちゃんがいい。
「ごめん」
ぽつりと呟くように言うと、ゆっくり遥の体を離した。
遥の腕の中は温かくて、とても安心できた。
離れるのが少し嫌になるくらい。
「………遥の気持ち嬉しかった」
また涙が溢れてきそう。
視界が歪んでよく見えない。
「でも、蒼ちゃんが好きだから……遥の気持ちにはこたえられないよ………」
上手く声が出ていない気がする。
届いて欲しいに、届いて欲しくない。
そんな複雑な気持ちだ。