幼なじみが、先生で。


「「わたしなんか」じゃねぇよ。海里は自分が思ってる以上にいい女だと思う」

「そんな……急に褒めないでよ」

苦笑いで誤魔化すことしかできなくなる。


「恋してる女ってさ……男から見るとキラキラしてすげー眩しいんだ。もしかしたら俺は恋をしてるやつを好きになるのかもしれない」


恋をしている、女の子………。

キラキラしてるなんて自分じゃ全然わからない。

彼氏がいる友達も、彼女がいる人もみんな同じに見えるもの。

遥だけには惹かれる何かがそこにはあるらしい。


「たとえその恋が俺に向けられたものじゃなくてもっていうのが辛いところだけどな」

ヘラヘラと無理に笑う遥は見ていてとても心苦しい。


神崎先生にも、わたしにも、届かなかった想いがあるのだから。


「ごめんね」と「ありがとう」しか言えないよ。

< 156 / 204 >

この作品をシェア

pagetop