幼なじみが、先生で。


「海里は桐生先生に告ったりしねぇの?」


「こっ、告白って……?」


突然変なこと言う。

先生に告白をするなんてどれほど大変なことか遥だって理解しているはずだ。


「先生と生徒が付き合ってるだなんてバレたら大変なことになるってわかるでしょ?」


「まぁーな」

「告白だけでも周囲の人はみんな蒼ちゃんが生徒を誑かしたと思うかもしれない。だから告白なんてできっこないよ」


神崎先生との関係を隠していた遥ならわかってることじゃない。

もうっ、何考えてるの。


「だからわたしはこの気持ちをずっと隠していくつもり」


これから先、ずっとずっと蒼ちゃんを想い続ける。

それ以外の恋はいらないんだ。


「卒業しても告白しねぇの?」


「卒業………?」


卒業したら何か変わる?

卒業したら妹じゃなくて、女の子として見てくれるの?



「卒業したら生徒と先生じゃなくなるし、別に付き合っても問題ないじゃん?」



頭の中に衝撃が走ったみたいだ。


だって、考えたこともなかったもの。


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