幼なじみが、先生で。


数年振りに会った海里は、俺でもドキッとするくらい綺麗で驚いた。

思わず見とれてしまうほどで、女の子成長速度は恐ろしく速い。

それでも、一生懸命で、バカみたいに真っ直ぐなところは昔から変わってなかった。


俺が海里に対する気持ちが変わったとはっきり気づいたのは“あの]瞬間から。

今でも鮮明に思い出せる。


「似合ってるよ、その格好」


文化祭で使うメイド服を着ていた海里。

一目見た瞬間あまりにも可愛くて、愛しくて、思わず抱きしめたくなった。


こんな気持ちになるのは、海里を妹のように可愛がっていたから。

そう、自分にそう思わせていた。


そんな俺の気持ちを迷わせた瞬間。


「ありがとうございます……!」


今まで海里の笑顔はたくさん見てきた。


海里の笑顔は俺を嬉しくさせる魔法。

癒しというやつだった。


でも、今回の「ありがとう」の笑顔はいつもと少し違う。


感謝の気持ちの「ありがとう」じゃない。

そう感じたんだ。


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