幼なじみが、先生で。


大学に通っていた頃、女に告白されることも少なくなかった。


その度に「今は誰かと付き合う気はない」と言い続けるばかり。

恋愛なんて俺には無縁なものだと思っていたんだ。


でも、ようやく今気づく。


俺は幼なじみに、


海里に恋をしたんだ。


きっと気づいていなかっただけで、少しずつ好きの気持ちが積み重なっていったんだと思う。



長い、長い、年を越えてようやく気づく。


寄りかかっていた壁からゆっくり体を離すと、海里たちに気づかれないようその場を後にした。

見慣れた廊下も教室も、今日は少し違って見える。



報われなくてもいい。

辛くたって構わない。


君を好きでいられることが嬉しいから。



ずっと、ずっと、想い続ける。


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