幼なじみが、先生で。
「ふふっ、なんだか今の言葉、先生!って感じだよね」
熱い先生がよく言う名言みたい。
なんだか蒼ちゃんにはちょっぴり似合わないかも。
「当然だろ、俺は先生なんだから」
笑顔で返す蒼ちゃんはとても眩しい。
蒼ちゃんは本当に教師という職業が好きなんだ。
「蒼ちゃんはさ、なんで先生になったの?」
ふと、そんな疑問が頭の中に浮かんできた。
よく考えてみれば、蒼ちゃんが教師を目指していた理由を昔から今まで1度も聞いたことがなかったかもしれない。
「なんで、か………そうだなぁ、海里に言われたからかな」
「え!?わたし?」
「覚えてないだろうけど」
くすくすと笑う蒼ちゃんだが、わたしは何か言った覚えは全くない。
わたしが小さいときの話だよね?
何か……何か言ってたかなぁ……。