幼なじみが、先生で。


「ほらな。風邪引く前に早く家に帰ったほうがいい」


「うん、話せて嬉しかったよ」


今日、蒼ちゃんと会えてよかった。

今会ってなかったら蒼ちゃんの教師に対する想いをこれから先聞ける日が来なかったかもしれないもの。


「明日、学校でな」

「うん!バイバイ蒼ちゃん」


蒼ちゃんはわたしの姿見えなくなるまで手を振っていてくれた。


もうすぐ、卒業。

あと少しで蒼ちゃんに告白できるんだ。


わたしが「好き」って言ったら蒼ちゃんはどんな顔するだろう。


驚くかな。

困るかな。

怒るかな。

それとも、いつもみたいに優しく笑ってくれるかな。


告白はとても緊張するだろうけど、蒼ちゃんに気持ちを伝えられることがこんなにも嬉しいなんて。


卒業なんてなければいいのにって今でも少し思ってる。


それでも、卒業をすることによって始まることもある。

卒業しないと始まらない未来がある。

蒼ちゃんが気づかせてくれた。


だからわたしは胸を張って卒業できる。

別れじゃない別れを、わたしはちゃんと受け止められるから。


終わりを告げるカウントダウン。

卒業はもう目の前だ。


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