幼なじみが、先生で。
「海里の友達は相変わらずテンション高けぇな」
「あはは……」
去って行く結衣の後ろ姿をボー然と見つめる遥。
なんだかわたしが恥ずかしくなってきた。
「何かわたしに用でもあった?」
「あ、いや……卒業だしちょっとくらい話しでもと思ってな」
遥はわたしの行く大学なんかよりずっとレベルの高い大学への入学が決まっている。
勉強ができるのはかなり羨ましい。
さすが努力家の遥だ。
「もう明日からここに通うことはなくなるんだよなぁ……」
「制服も今日で最後だね」
2人で満開の桜を見上げていると、今までの思い出が頭の中に蘇ってくる。
最後の1年は本当にいろいろあったなぁ。
蒼ちゃんがこの学校に来た時のこと。
神崎先生と蒼ちゃんのキスを見てしまったこと。
遥が神崎先生を好きだったこと。
そして、遥に告白された日のこと。
昨日のことのようによく覚えている。