幼なじみが、先生で。
「なぁ、海里」
「あのさ、遥」
「「あっ」」
わたしと遥の声がちょうどタイミングよくぴったりと重なった。
「海里から先にどうぞ」
「あ、うん……」
ずっと遥に言いたかったことがある。
学校を離れてしまう前に言いたかったんだ。
「わたしと友達になってくれてありがとう」
「えっ」
「遥に出会ってなかったらたぶんわたしは、蒼ちゃんに気持ちを伝えることを諦めてたと思う」
遥がきっかけを教えてくれた。
ずっと逃げてばかりいたわたしに道しるべをくれたの。
「………友達………か………」
ボソッと何か小ない呟いたみたいだったけど、わたしの耳までは入ってこなかった。
「遥はわたしにとってこれからもずっと特別な人だよ」
これから先もずっと、ずっと遥と友達でいれたらいいな。
「ま、それでもいいか」
「わっ、ちょっと遥?」
わたしの頭をぐしゃぐしゃと撫でる遥の笑顔は、とても眩しくて胸がキュンと熱くなった。