幼なじみが、先生で。
とりあえず手紙を開けてみると、中にはメッセージカードが1枚だけ。
「ーーー蒼ちゃん……」
気づいたらまた走り出していた。
卒業式の後にまさか2度も全力疾走をすることになるなんて思ってもいなかった。
地面を蹴る足がさっきより重い。
でも、止まるわけにはいかないの。
1秒でも早く蒼ちゃんに会いたい。
『海里へ
あの海で待ってる
蒼より』
たったひとこと。
たった1行だけの手紙。
それでも、この短い文に蒼ちゃんの想いがつまている気がしたの。
わたしが蒼ちゃんに何か伝えたいように、蒼ちゃんもたぶんわたしに何か伝えたいことがあるんだ。
走るリズムに合せてドクン、ドクンと音が鳴っている。
周りに響きそうなほど大きな音だ。
今、会いに行くよ。