幼なじみが、先生で。
家が隣で親同士の仲も良く、わたしたちも自然と一緒に居るようになった。
6つ歳が離れている蒼ちゃんは1人っ子だったわたしのお兄ちゃん的存在でもあり、幼なじみだった。
かっこよくて、勉強も運動もなんでもできる蒼ちゃん。
そんな蒼ちゃんを好きになるのは必然的だった。
好きの気持ちがだんだん降り積もっていったの。
これが、わたしの初恋。
そしてわたしがもうすぐ中学生になる頃、蒼ちゃんは遠くへ行ってしまった。
どこに行くのかはなぜか教えてもらえなかった。
ただ、「遠くへ行く」と言われただけ。
「蒼ちゃん行かないで!」
いっぱい、いっぱい泣いた。
蒼ちゃんに泣きついて何度も「行かないで」を繰り返した。
「ごめんね」
だけど蒼ちゃんは首を横に振るばかり。
わたしのそばには居てくれないんだって思った。