幼なじみが、先生で。

これはきっと恋だ



「…………………わっ…!」



開いていた窓から少し強めの風が流れ込んできた。

胸のあたりまで伸びたわたしの髪をふわりと揺らす。


まだ4月は始まったばかりだというのに桜の花弁はひらひらと舞っている。

この調子だと散ってしまうのも早いんじゃないだろうか。


そんなことを考えながら、図書室に本を返し終わったわたしは1人で廊下を歩いている途中。


お弁当を食べた後、結衣と一緒に行く予定だったが「面倒くさい〜」とあっさり断られてしまった。

もしかしたら昨日の蒼ちゃんと同じくらい冷たいかもしれない。



あれほど変わってしまった蒼ちゃんを見ても、考えることはいつもと同じ。

今日も蒼ちゃんのことを考えている。


家に帰った後だって同じだ。

頭の片隅には必ず蒼ちゃんの顔がチラついて離れない。

その度に泣きたくなって、怒りたくなって。

行き場のない感情を枕にぶつけていた。


壁に投げつけた後、「うるさい」とお母さんに怒られたのも全部蒼ちゃんのせい。


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