幼なじみが、先生で。


蒼ちゃんが戻って来たら伝えようと思っていた「好き」の言葉。


口から出た後の答えを待つこの時間は、とてつもなく長く感じる。


心臓が痛い。

爆発しそうだ。


永遠に続くと思った沈黙もついにやぶれられ、


「俺も海里が好きだよ」


そう言って優しく笑ってくれた。


数年ぶりに見た蒼ちゃんの笑顔はとても眩しくて、わたしの心臓をさらに跳ね上がらせた。


「それなら……」


それならわたしをーーーー。



「ずっと大好きで大切な妹だ」


“蒼ちゃんの彼女にしてください”


さっきまでドキドキと嬉しい音を鳴らしていた心臓にズシリと鉛のようなものが乗りかかった。



違う。

その好きじゃないよ………。

どうして、伝わらないの


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