幼なじみが、先生で。
張り裂けそうなほどズキンと胸が痛む。
妹なんか嫌だよ。
わたしは蒼ちゃんの恋人になりたいの。
蒼ちゃんの特別な人になりたいんだよ。
「妹………卒業したい」
「え?」
蒼ちゃんに妹じゃなくて1人の女として私を見てほしい。
わがままかもしれないけど、わたしは妹じゃ嫌なの。
幼い頃から少しずつ降り積もったこの想いはどうしたら叶う?
「蒼ちゃんのこと幼なじみとかお兄ちゃんとかじゃなくて1人の……1人の男の人としてすーーーー」
ちょうど重要なところを言いかけた瞬間だった。
「かいっ……」
蒼ちゃんの言葉も途中までしか聞こえない。
わたしを飲みこめるくらいの大きな波が突然押し寄せ、ザバーンと体を濡らした。