幼なじみが、先生で。


「蒼ちゃんわたし濡れて…………」


「いいから静かにして」



濡れているわたしの体を抱き寄せるようにして、蒼ちゃんは歩き出した。


「海里のアホ」

「へ!?」


アホって………。


やっぱり会っていない間に少しは変わったのかな。


でも、今ならわかる。

たとえ再開したばかりの嘘の蒼ちゃんが本当だったとしても、わたしはそんな蒼ちゃんも好きだったと思う。


優しいからとか、かっこいいからとかじゃなくて、きっと“蒼ちゃんだから”好きなんだ。


今度はちゃんと伝えるね。


蒼ちゃんが好き。

蒼ちゃんの彼女にしてくださいって。


再会して初めて並んで歩く夜の星は、いつもより輝いて見えた。


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