幼なじみが、先生で。
わたしがドアを開けた瞬間にすぐ2人は離れてしまったからよく見えなかったけど、していたのはたぶんキスだけじゃなかったはず。
神崎先生がボタンをしめながら出て行ったのが全てを物語っている。
なにが可愛くて癒される先生だよ……真逆じゃない………。
神崎先生はただの変態だ。
蒼ちゃんにも無理やり迫ってたし許せないっ……。
腰が抜けたまま動けないでいると、
「ちっ……」
机に寄っ掛かりながら立つ芹澤くんの舌打ちが確かに聞こえてきた。
機嫌が優れないのが表情からよくわかる。
わたしって……なんでこんなにタイミングが悪いんだろう………。
「おい、お前」
「ひゃっ、ひゃい!?」
いつの間にか目の前に芹澤くんが立っていて、初めての会話は思いっきり裏返った返事でスタートした。
せめてまともな返事をしたかった………なんて考える余裕はまだあるらしい。