幼なじみが、先生で。
「何邪魔してくれてんだよ……」
目の前まで迫ってきた芹澤くんの顔は迫力があり、涙が出そうなほど怖い。
こ、殺される………。
ふいにそんな言葉が頭をよぎった。
あまりの恐怖に全身が震え何も言えない。
「なんか言えよ!おい」
何も反応しないわたしにさらに怒りを感じたようで「ちっ」と舌を鳴らした。
「ごっ…………」
逃げなきゃ。
今すぐここから。
この人から離れなきゃ。
わたしの心がそう叫んでいた。
ぐっと脚に力を込めて、ふらつく体をあげると、
「ごめんなさいー!!!!!!」
叫ぶだけ叫んで芹澤くんの前から逃げるように走った。