幼なじみが、先生で。


そうだ、昨日渡しそびれてわたしが持ったままだったんだ。


「ご、ごめん」


慌てて鞄のポケットから生徒手帳を取り出した。

会いたくないと思うばかりで生徒手帳の存在をすっかり忘れてたよ。


「どうも」


「じゃ、じゃあわたしはこれで……」


役目も終えたし、もうこれ以上関わりたくないっ………!

鞄をつかんですぐさま逃げようとしたが、


「おい待てよ 」


そう言って芹澤くんがわたし腕をつかんできた。


「へっ!?」


まだ何かあるの!?

昨日のことを思い出してしまうから一刻も早く離れたいのにそうはいかないみたいだ。


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