幼なじみが、先生で。
「名字は辻宮っていうの。辻宮海里」
「ふーん……まぁ、海里の方が1文字少ねぇし呼びやすいけど」
「お前の名字なんか興味ねぇ」とでも言いたそう。
名前呼びするのって結構恥じらいがあるものだと思うけど、芹澤くんは違うらしい。
わたしは女子でさえあまり話さない子は名字呼びだ。
男子なんて名前で呼んでる人はほとんどいないもの。
思いつく限りでは蒼ちゃんくらいかもしれない。
「芹澤くんってなんだか噂と全然違うんだね」
「なんだよ」
成績優秀、スポーツ万能。
超爽やかで誰にでも優しく接してくれる学年1のイケメン。
勉強や運動ができるかは知らないけど今日話した感じでは聞いていたイメージと全然違う。
「実は口が悪くて照れ屋さんだったんだぁって」
「はぁ!?誰が照れ屋だよバカ」
「あっ、でも優しいってのは本当かも」
「っ……….面と向かって普通優しいとか言わねぇだろ」
本当に照れ屋だな。
こんなわかりやすい人はそうそう居ないだろう。
また少し顔が赤い。