幼なじみが、先生で。


ずっと覗き見してるのもだめだよね、本当に変態だと思われちゃう。


早く離れなきゃ……。



そう思い、ドアを閉めようとした………その時だった。



「ーーーもう、終わりにしないか」



下を向いているせいで顔はよく見えないが、少し低い真剣な芹澤くんの声。


「な、なに?それってどういう意味?」



今の、言葉ーーー。


早く帰らなきゃいけないのに。

覗き見なんて趣味じゃないのに。


でも、そう思えば思うほど、わたしの体は動かなくなる。


雨音よりも、2人の声しか聞こえない。



「側に居ればいつか俺を選んでくれるんじゃないかって思ってた………」


震える声を必死に抑えながら言葉を続ける芹澤くんの姿に酷く胸が痛む。


『そんな簡単に断ち切れたら苦労しねぇよ』

この間までそう言っていたのに。

わたしの勝手なおせっかいのせい?


こんな………芹澤くんを傷つけたかったわけじゃないのに。


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