君を好きな理由
そうね。

私も見た目が派手だから、それだけで寄ってこられる男が多かった。

女をアクセサリーか何かだと思っていた男も多かったし、意思のある人間なんだと伝えると、それが原因で喧嘩になっていたものよね。

確かに口が悪いのも認める。

認めるけど……

嬉しいのかもな。

ううん。とても嬉しい。

華子以外で私の言動を気にしないのは、私の言動を気に留めていない人ばかりだったし。


……そうよね。私だって嬉しく思えるのよね。


冷たい……とは、よく言われるけれど、思いやりがある……なんて言われたのは初めてだわ。


「はるか?」

「うん?」

「キスしてもいいですか?」

「はあ? 路チューとか、そういうのは、若者に任せておきなさいよ。私たちみたいな妙齢の人間がすることじゃー……」

と、言っている間にガッシリ支えられた腰。


「ちょ……っ」

「口を閉じないと、濃厚なキスになりますよ」

「いや。そういう問題じゃ……」

重なった唇に、目を見開いたままの私。


……そうね。こういうところは博哉は我が儘と言うか、気ままと言うか。

目を閉じて、戯れるようなキスに苦笑する。

ゆっくりと離れていくと、腕をつねった。

「せめて道端ではやめなさいよ」

「車の中でならいいですか?」

「そういう問題じゃないからね」

戯れるような、このくすぐったさはなんだろう。

こんな関係は……悪くないと思う。















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