君を好きな理由
こんな感じ……かな?
******
最近の博哉は変だ。
いつもおかしいから、おかしくないと言うか、これは普通と言えば普通と言えるのか。
海から帰ってきてから、何かが……
どこがおかしいのか、説明しろと言われても、博哉はマイルールをひたすら走り抜けるし……
ハッキリ言えないけど。
「どうかしましたか?」
キリッとした真面目な顔で言われても、具体的になっていない疑問に、逆にこっちが困るんだけどさ。
「ん。べつに」
いつものように集まっての昼休み。
磯村さんと華子はお弁当を食べているし、私は私で博哉のお弁当をつついている。
これは日常になっているけれど……
「ついてますよ」
「え?」
頬に暖かい感触。
「…………」
い、今、頬っぺた舐められた!
思った瞬間、磯村さんと目があった。
「溺愛されてんなー女医さん。俺も、葛西がそんな風になるとは思っても見なかったけど」
磯村さんたちの方が、先に慣れてきている……
「最近、人前でベタベタしすぎなのよ、貴方は!」
やたらに近い位置にある顔を押し返す訳にいかないから、肩を押すとムッとされた。
「いいじゃないですか、これくらい」
私には貴方の基準が解らないわよ!
どういう思考をしてるのよ!
だいたい人前で頬っぺた舐められて、普通にしていられる女がいるものか!
非常識にもほどがある。
思わず博哉の頬を横に広げて、彼を睨んだ。
「人前ではやめて」
「恥ずかしがりやですね」
「や。恥ずかしがりやとか、そうじゃないとか、そういう問題じゃないからね?」
「解りました」
渋々納得したから、困って笑う。
博哉はベタベタするのが好きだ。
私も嫌いではないけれど、人前では困るし、ここは何より職場だから……
時に大っぴらに、時にさりげなく、実に空気を読まずにベタベタされると困る。
「ところで、山本たちは新婚旅行から戻りましたけれど、磯村たちはどうするんですか?」
「俺ら?」
博哉の言葉に磯村さんが顔を上げ、それから華子を見る。
「まぁ、したいならもっと落ち着いてからだな」
「籍はいつになさるんです?」
「何だ、興味津々だな……お前」
最近の博哉は変だ。
いつもおかしいから、おかしくないと言うか、これは普通と言えば普通と言えるのか。
海から帰ってきてから、何かが……
どこがおかしいのか、説明しろと言われても、博哉はマイルールをひたすら走り抜けるし……
ハッキリ言えないけど。
「どうかしましたか?」
キリッとした真面目な顔で言われても、具体的になっていない疑問に、逆にこっちが困るんだけどさ。
「ん。べつに」
いつものように集まっての昼休み。
磯村さんと華子はお弁当を食べているし、私は私で博哉のお弁当をつついている。
これは日常になっているけれど……
「ついてますよ」
「え?」
頬に暖かい感触。
「…………」
い、今、頬っぺた舐められた!
思った瞬間、磯村さんと目があった。
「溺愛されてんなー女医さん。俺も、葛西がそんな風になるとは思っても見なかったけど」
磯村さんたちの方が、先に慣れてきている……
「最近、人前でベタベタしすぎなのよ、貴方は!」
やたらに近い位置にある顔を押し返す訳にいかないから、肩を押すとムッとされた。
「いいじゃないですか、これくらい」
私には貴方の基準が解らないわよ!
どういう思考をしてるのよ!
だいたい人前で頬っぺた舐められて、普通にしていられる女がいるものか!
非常識にもほどがある。
思わず博哉の頬を横に広げて、彼を睨んだ。
「人前ではやめて」
「恥ずかしがりやですね」
「や。恥ずかしがりやとか、そうじゃないとか、そういう問題じゃないからね?」
「解りました」
渋々納得したから、困って笑う。
博哉はベタベタするのが好きだ。
私も嫌いではないけれど、人前では困るし、ここは何より職場だから……
時に大っぴらに、時にさりげなく、実に空気を読まずにベタベタされると困る。
「ところで、山本たちは新婚旅行から戻りましたけれど、磯村たちはどうするんですか?」
「俺ら?」
博哉の言葉に磯村さんが顔を上げ、それから華子を見る。
「まぁ、したいならもっと落ち着いてからだな」
「籍はいつになさるんです?」
「何だ、興味津々だな……お前」