君を好きな理由
「はるかは乙女だと言った辺りからですかねー。磯村はそういう事はすぐに気がつく人間ですから」

こんなことに気を使われても困るわー。

と言うか、磯村さんも苦労人だな。


「嫌よ」

「嫌?」

「どーしてプライベートを職場でひけらかさないといけないの。それに、またついでみたいにプロポーズに持っていかれそうだし嫌」

「しょうがないですねー」

「どっちがよ」

「伊原さんは、営業部でお返事したそうですよ」

「一緒にしない。私と華子は違うのよ」

「解りました」


解ったの?


博哉はクスッと小さく笑うと、お弁当を片付け始める。


……本当に解ったの?


と言うか、何を解ったの?


「とりあえず、昼休憩も終わりですので、戻りますね」

「あ。ご馳走さま」

「お粗末様でした」

ニコニコしながら、出ていく博哉を見送って首を傾げる。


なんだろう。

何か違和感が。

とてつもない違和感が……



その答えは数日後に解った。











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