君を好きな理由
「はるかは……他人がどうあれ、ありのままを見てくれてますよね」
車のキーを回し、エンジン音に身を委ねながら頷く。
「他人は他人で、私は私でしょ」
大多数を、親しい人のくくりに入れたら大変よね。
「なのに、相変わらず俺の“坊っちゃん”は抜けませんか」
……うん?
いきなりね?
「えー……と」
「解ります。以前、昔の話は聞きたくないと申し上げたから、でしょう?」
車を出して、それから苦笑して、それから困ったように溜め息をつかれた。
それはあれだな。
華子に磯村さんの事で、余計な事を言ったから絞めた時の話かな。
「大雑把に見えて、実は律儀で繊細だから困ります」
なんだその評価。
「悪かったわね」
「いえ。嫌いじゃありませんが、困るのは確かだと思いました」
あ、そう。
「とりあえず、ラーメンでもいいですか?」
「ダメなら、さっき反対してる」
「一応、口コミで店を検索してみました」
口コミかぁ。
最近頼る人が増えたけど……
「ふふん。じゃ、違うお店に行きましょ」
博哉が眉を上げたのを見て、クスクス笑う。
「口コミサイトも良いけどね。教科書通りじゃないお店も楽しいものよ」
「まぁ……」
一度帰ったのか、ジーンズに洗い晒しのシャツ姿。
インテリ眼鏡はとは違う、黒縁眼鏡はプライベート用だ。
「どーせ行くなら、あまり行くことがない店に行きましょ。と言うか、たぶん博哉は絶対に行かないような店」
「……行かないような店はないです」
「ピンクな接待のあるお店にも行く?」
「それは行きませんね」
すかさず反論されて吹き出した。
まぁ、彼女が聞くことじゃないか。
「ナビするね」
「お願いします」
「了解了解」
そうして連れて行ったのは、どこからどう見ても、屋台のお店だった。
「屋台ですね」
「まあね」
「本当に屋台に来るとは思ってもみませんでした」
どういう意味だろう?
まぁ、いいか。
車のキーを回し、エンジン音に身を委ねながら頷く。
「他人は他人で、私は私でしょ」
大多数を、親しい人のくくりに入れたら大変よね。
「なのに、相変わらず俺の“坊っちゃん”は抜けませんか」
……うん?
いきなりね?
「えー……と」
「解ります。以前、昔の話は聞きたくないと申し上げたから、でしょう?」
車を出して、それから苦笑して、それから困ったように溜め息をつかれた。
それはあれだな。
華子に磯村さんの事で、余計な事を言ったから絞めた時の話かな。
「大雑把に見えて、実は律儀で繊細だから困ります」
なんだその評価。
「悪かったわね」
「いえ。嫌いじゃありませんが、困るのは確かだと思いました」
あ、そう。
「とりあえず、ラーメンでもいいですか?」
「ダメなら、さっき反対してる」
「一応、口コミで店を検索してみました」
口コミかぁ。
最近頼る人が増えたけど……
「ふふん。じゃ、違うお店に行きましょ」
博哉が眉を上げたのを見て、クスクス笑う。
「口コミサイトも良いけどね。教科書通りじゃないお店も楽しいものよ」
「まぁ……」
一度帰ったのか、ジーンズに洗い晒しのシャツ姿。
インテリ眼鏡はとは違う、黒縁眼鏡はプライベート用だ。
「どーせ行くなら、あまり行くことがない店に行きましょ。と言うか、たぶん博哉は絶対に行かないような店」
「……行かないような店はないです」
「ピンクな接待のあるお店にも行く?」
「それは行きませんね」
すかさず反論されて吹き出した。
まぁ、彼女が聞くことじゃないか。
「ナビするね」
「お願いします」
「了解了解」
そうして連れて行ったのは、どこからどう見ても、屋台のお店だった。
「屋台ですね」
「まあね」
「本当に屋台に来るとは思ってもみませんでした」
どういう意味だろう?
まぁ、いいか。