君を好きな理由
それは間違いないかもな。
やっぱりボンボンの考えは解らないとか、勝手にレッテルを貼ったりするんだろう。
でもさ、
「私、博哉は嫌いじゃないよ?」
「それは存じてます。嫌いなら、そもそも付き合ってくれるはずがない」
「あ……そう」
まぁ、うん。
間違いないけどね。
「ですが、きっと“好きかも”程度ですよね。解っています。でも俺は結婚を考えてます」
え。
ここで二度目のプロポーズですか、お兄さん。
こんな感じで?
「だいたい宣隆氏と比べられるのは心外ですし、あんな小さな男と同列に並べられるのも腹が立ちます」
「え。うん……」
しまいには小さな男と断言?
「確かに、大きい男かと言われれば俺はまだまだですし、嫉妬深いですから心は小さいでしょうし、何を考えているか解らないともよく言われますが」
ええと……
なんて言うか、やけに饒舌じゃない?
「愛しているから愛せとは言いませんが、せめて一人の男として……」
「あー……解った」
ポツリと呟くと、博哉は瞬きして首を傾げる。
「解りましたか?」
「うん。博哉が酔っ払っているのが解った」
「………まぁ」
ゆっくりと外されていく視線に、自覚があることも解った。
「とりあえず、聞いたわ」
「はい……」
「ちゃんと、普通の男として見る」
「はい……」
「素面でその台詞言えたら、ちゃんと聞いてあげる」
博哉は愕然として、それから立ち上がった。
「恥ずかしいです!」
はぁ!?
「あんたの恥ずかしいの基準が解らないわよ!」
「さすがに素面で愛してるは言えませんよ」
「………………」
どうすればいいかな。
この可愛らしい生物。
とりあえず……って、私たちにはとりあえずが多いけど。
「こっち座りなさいよ」
「……誘われてますか?」
真面目な顔をして振り向かれても困るけど。
「博哉は女から誘って欲しいわけ?」
「いえ。どちらかと言うと襲う方です」
「…………」
いや、だから、そんな事を真面目に言われても困るんだってば。
それでも隣に座り、置かれたままのビールコップを持たされた。
「でもね。博哉」
話始めると、彼は無言で首を傾げる。
「今日、吉田さんたちと話していて気がついた事もあるのよ?」
やっぱりボンボンの考えは解らないとか、勝手にレッテルを貼ったりするんだろう。
でもさ、
「私、博哉は嫌いじゃないよ?」
「それは存じてます。嫌いなら、そもそも付き合ってくれるはずがない」
「あ……そう」
まぁ、うん。
間違いないけどね。
「ですが、きっと“好きかも”程度ですよね。解っています。でも俺は結婚を考えてます」
え。
ここで二度目のプロポーズですか、お兄さん。
こんな感じで?
「だいたい宣隆氏と比べられるのは心外ですし、あんな小さな男と同列に並べられるのも腹が立ちます」
「え。うん……」
しまいには小さな男と断言?
「確かに、大きい男かと言われれば俺はまだまだですし、嫉妬深いですから心は小さいでしょうし、何を考えているか解らないともよく言われますが」
ええと……
なんて言うか、やけに饒舌じゃない?
「愛しているから愛せとは言いませんが、せめて一人の男として……」
「あー……解った」
ポツリと呟くと、博哉は瞬きして首を傾げる。
「解りましたか?」
「うん。博哉が酔っ払っているのが解った」
「………まぁ」
ゆっくりと外されていく視線に、自覚があることも解った。
「とりあえず、聞いたわ」
「はい……」
「ちゃんと、普通の男として見る」
「はい……」
「素面でその台詞言えたら、ちゃんと聞いてあげる」
博哉は愕然として、それから立ち上がった。
「恥ずかしいです!」
はぁ!?
「あんたの恥ずかしいの基準が解らないわよ!」
「さすがに素面で愛してるは言えませんよ」
「………………」
どうすればいいかな。
この可愛らしい生物。
とりあえず……って、私たちにはとりあえずが多いけど。
「こっち座りなさいよ」
「……誘われてますか?」
真面目な顔をして振り向かれても困るけど。
「博哉は女から誘って欲しいわけ?」
「いえ。どちらかと言うと襲う方です」
「…………」
いや、だから、そんな事を真面目に言われても困るんだってば。
それでも隣に座り、置かれたままのビールコップを持たされた。
「でもね。博哉」
話始めると、彼は無言で首を傾げる。
「今日、吉田さんたちと話していて気がついた事もあるのよ?」