距離。
他にも…



「けい!じゃじゃーんっ!みてみてっ!ランドセル!!赤色かわいいでしょ?」

「おー…」

「けい!反応がうすいよっ!」

「えぇっ…」

「もう知らないっ!ランドセル~♪これからよろしくね~♪」


あの時僕はゆきをランドセルにとられちゃった気がして…寂しかったんだと思う。だからあんな事言っちゃったりしたんだ。


「ゆき、ランドセル似合ってないよ。色もヘンだし。」

「…え?」

「だからヘンだって」


僕は叩かれる覚悟だった。だったんだけど…


「なんで…なんでそんなこと言うの…っ」

「え、ちょっ…な、泣かないでよ!」

「だって…けいちゃんにかわいいって言ってほしかったんだもん…」

「な、なんで…」

「だってぇ…だって…っ!!」

「いやっさっきのうそ!冗談!かわいいよ!すごく似合ってる!」

「…ほんと?」

「うんうん!」

「…ありがとっ!けいちゃん大好きっ!」

「う、うん…」


あの時は焦ったなぁ…泣かれるなんて思わなかったから。でも僕は思ったんだ。もうこの子を泣かせたくないって。
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