〔恋愛小説ミリしらが書く〕 司書と王子様
栞
人は、恋愛という物語を語ることによって
恋愛するようになる。
私は、小さい時からずっと、絵本に出てくるお姫様を夢見ていた。
一人ぼっちのお姫様を救う王子様を。
でもそれが、叶う事のない絵空事だと知ってからは
夢を1つなくしてしまった。
人に流されるように、いや、人に流れるように生きてきた私には
幼い時に夢見た王子様なんて、もう必要ないと思っていた。