〔恋愛小説ミリしらが書く〕 司書と王子様
「はぁ………ぁああああああああ…」
ゾンビみたいな声を上げ、乱雑にカウンターに本を通していく。
ピッ………ピッ………と、バーコードを読み取る音だけが響く。
ここは、弓月学園。最近では珍しい、中高一貫の学校。
私は、そこの図書室にいる。
本が好きだからという理由で図書委員会に入れられ
この子なら文句言わず働くだろうと半ば強制的に図書室の司書にさせられた。
全く…本が好きだからって、本の雑用を好んでするってわけじゃないのに……
まぁ、押し付けられただけなんだけど。
どうしたってこの内気な性格は変えられない、ヤマトナデシコ、ニッポン・カワイイ、ワビサビ!
モノは言いよう、前向きに生きた方が楽なこともある。