たとえ、すべてが嘘だとしても。
序章
「俺、お前のこと好きなんだ。付き合ってくれる?」
そうやってあなたは、嘘をつく。
「うん、いいよ。私も君のこと好きだし。」
こうやってわたしは、嘘を笑う。
一瞬、私の顔が歪んだ瞬間を私は見逃さない。
「よかったっ…!これからよろしくな!」
とびきりの笑顔で君は嘘をつく。
「私も嬉しいよ!こちらこそよろしく!」
とびきりの笑顔でわたしは繕う。