霧雨が降る森
約束

ことりおばけとおがみさん



むかしむかし、村にはとても美しい女がおりました。しかし女はその美しさで村の男たちをとりこにし悪いことをするようにそそのかしました。

そのせいで村はすっかりさびれ男たちの妻や子は飢えるばかりついに村人はその悪い女を山に追い出してしまいました。

すると、女は次第に姿を変えおばけになってしまったのです。女が悪いことを止めないばかりか森に入った子どもをさらっていくので村の人は女を「ことりおばけ」と呼び恐れるようになりました。




そんなある日村に霧のような細い雨が降りました。なんと、ことりおばけはその雨とともに村に下りてきました。


「私の子どもはどこかいな」


「森に入る子どもではたりぬ」


「さぁ、子どもを渡せ 私に渡せ」





そんな時一人の勇敢な村人がことりおばけに向っていきました。不思議なことにその村人はことりおばけに襲われることはありませんでした。


村人が青く光る石を投げるとことりおばけは悲鳴を上げて森に帰っていきました。その後、その勇敢な村人がことりおばけが子どもをさらわぬようにおがむと
ことりおばけは二度と村に下りてこなくなりました。




それから、その村人は「おがみさん」と呼ばれ村を守り続けました。村はすっかり元気を取り戻しましたとさ。



作者不明(民間伝承)










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