平安絵巻 続き
人の気配がした。
『誰です?』
何も聞こえない。
はっ!
『約束通りきましたよ。中宮…』
『なぜここに?宮中に戻らなくてもよろし いのですか?』
『会いたかった…』
『たった5日ですよ……』
『さぁ、御所へ戻ろう。』
『何を言われますか!!
私は、勝手に里に帰ったのです!
御所へ戻ったら何と言われるか…』
『とにかく、御所へ戻りましょう。』
『帝…!』
帝に強く手を引っ張られ、牛車に乗ってしまった。
牛車の中では、一切話がなかった。
無理やり連れ戻して、もうすぐ産まれる御子の話を延々に聞かなければならない。
ふぅっ!
うたた寝をしてしまった。
帝に見られたか…
何も話がなく、御所へ着いた。
そして、侍女に促され部屋にいく。
夜更けの御所を見たことがなかった。
こんな所だったのかと思う。
結局、帰ってきてしまった。
それも、寝間で……