平安絵巻 続き
翌日。
『鶴の君ー!』
あの声は!
『松の君様!
どうなさったのです?』
『戻ったと聞いて、急いで来ました!』
『そうですか…』
『兄上は?
昨日、どうでしたか?』
『なんの事でしょう…』
『一緒に、帰られたと…』
『話しておりません…』
『え!?なぜ?』
『いろいろと…』
『早く仲を戻される事ね。
多分、今宵鶴の君が呼ばれるわ!』
『でも、雪の君様は?
もうすぐ御子が…』
『その話は、飽きたわ!
絶対、今宵!』