嘘からはじまる、
嘘からはじまる、
私の高校の生徒会室は、かなり開放的だと思う。
「詩乃~!」
ほら。
今日もこうやって、生徒会執行部ではない生徒が、何のためらいもなく入ってくる。
ガラッ、と大きな音を立てて生徒会室のドアを開け、私の名前を呼んだのは、クラスメイトの美夏(みか)。
肩より少し長い黒に近い茶色の髪は、いつも緩く巻かれている。
黒目がちの大きな瞳が印象的な彼女は、疑いのようのない美少女だ。
美夏はクラスメイトのなかでも結構仲がいいほうだけど。
放課後、こうやって勢いよく生徒会室に乱入してくるときの彼女の用件は決まっているから、私は心の中でため息をついた。
「どうしたの?」
絶対いつもと同じ用事に違いないと思いつつも、私は一応そうたずねた。
すると美夏は、エヘヘと少しだけ首をかしげて笑う。
同じ女の私でも思わずきゅんとしてしまうくらい可愛い。
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