秘密と記憶が出会うとき
祥子が部屋の入り口に立ちはだかるようにして目をつむっていると、入り口のドアまで押し下げられるようにして明央が祥子の唇に口づけた。
「んん・・・ちゅっ・・・」
明央は祥子の両肩をつかんだ手を下におろそうとして、あわてて祥子から離れた。
「ご、ごめん。ありがと・・・やっぱり俺、頭冷やしてくるわ。」
「あっ、先輩・・・。
(先輩後悔してるのかなぁ。でも、先輩の思いがいっぱい詰まってたような気がするキスだった。)」
祥子は2時半までは起きていたが、そんな時間になっても明央がもどってこないので仕方なく、先に自分のベッドで休むことにした。
同じ頃・・・明央は雪貴の家で震えていた。
祥子のことで思い悩んだ明央は学長である雪貴に祥子のことを伝えにきたのだった。
「中澤クンにはすまないと思ってる。
まさか、祥子が君を誘惑するなんて思いもしなかった。」
「いや、彼女は僕の様子から気を遣ってくれたんだと思います。
でも、僕は限界なんです。
彼女のことは好きです。
だからこそ、傷つけるわけにはいかない。
頭ではわかっているのに・・・もう・・・僕は・・・。」
「うん、わかってるよ・・・君の言いたいことは。
そもそも、美人な彼女を男子校にいれるなどということがどうかしてるんだ。
俺も心配はしてたんだ。
でも、同室が君でよかった。
祥子は明日から、ここに住まわせるよ。
ここなら部屋も多いし、使用人もいるからね。
ほんとにすまなかった。」
「いえ、僕も退学とか祥子がペナルティを受けるのはイヤですから。
だけど、さっきの話は・・・ほ、本当なんですか?」
「うん。でも祥子は記憶を取り戻していないから黙っていてほしい。
今、知ってしまったら・・・あの娘は死んでしまうかもしれない。
まだ本当の恋も、勉強もわかっていないのに、俺は・・・こんなことでしか祥子を守れないとは・・・。」
「学長・・・あなたは・・・もしかして、祥子さんを。
そうなんですね。
どうして大人のあなたから、すべて話さないんですか?」
「できるわけないだろ。
君の兄は君を男たちに売ったんだなど・・・言えない。
しかも、彼女は裸にされていじられて、犯される寸前のところで母親が身代わりになることで守ったなんて。
俺と兄貴が行ったときには、記憶がなくなって失神していた彼女と乱暴された母親がベッドで横たわっていた。
俺もまだ若くて、あのときは入院中付き添っているだけで精一杯だったんだ。」
「それだけでもすごいっすよ。
あんなきれいな娘が、ひどい目にあって記憶までなくして・・・ずっとそばにいるなんて。
僕にはできないと思います。」
「んん・・・ちゅっ・・・」
明央は祥子の両肩をつかんだ手を下におろそうとして、あわてて祥子から離れた。
「ご、ごめん。ありがと・・・やっぱり俺、頭冷やしてくるわ。」
「あっ、先輩・・・。
(先輩後悔してるのかなぁ。でも、先輩の思いがいっぱい詰まってたような気がするキスだった。)」
祥子は2時半までは起きていたが、そんな時間になっても明央がもどってこないので仕方なく、先に自分のベッドで休むことにした。
同じ頃・・・明央は雪貴の家で震えていた。
祥子のことで思い悩んだ明央は学長である雪貴に祥子のことを伝えにきたのだった。
「中澤クンにはすまないと思ってる。
まさか、祥子が君を誘惑するなんて思いもしなかった。」
「いや、彼女は僕の様子から気を遣ってくれたんだと思います。
でも、僕は限界なんです。
彼女のことは好きです。
だからこそ、傷つけるわけにはいかない。
頭ではわかっているのに・・・もう・・・僕は・・・。」
「うん、わかってるよ・・・君の言いたいことは。
そもそも、美人な彼女を男子校にいれるなどということがどうかしてるんだ。
俺も心配はしてたんだ。
でも、同室が君でよかった。
祥子は明日から、ここに住まわせるよ。
ここなら部屋も多いし、使用人もいるからね。
ほんとにすまなかった。」
「いえ、僕も退学とか祥子がペナルティを受けるのはイヤですから。
だけど、さっきの話は・・・ほ、本当なんですか?」
「うん。でも祥子は記憶を取り戻していないから黙っていてほしい。
今、知ってしまったら・・・あの娘は死んでしまうかもしれない。
まだ本当の恋も、勉強もわかっていないのに、俺は・・・こんなことでしか祥子を守れないとは・・・。」
「学長・・・あなたは・・・もしかして、祥子さんを。
そうなんですね。
どうして大人のあなたから、すべて話さないんですか?」
「できるわけないだろ。
君の兄は君を男たちに売ったんだなど・・・言えない。
しかも、彼女は裸にされていじられて、犯される寸前のところで母親が身代わりになることで守ったなんて。
俺と兄貴が行ったときには、記憶がなくなって失神していた彼女と乱暴された母親がベッドで横たわっていた。
俺もまだ若くて、あのときは入院中付き添っているだけで精一杯だったんだ。」
「それだけでもすごいっすよ。
あんなきれいな娘が、ひどい目にあって記憶までなくして・・・ずっとそばにいるなんて。
僕にはできないと思います。」